TOEICと英検を比較 受けるべきはどちら? 違いをまとめました

英語学習

今回は、これから英語学習を始めようと思っている人で、TOEICと英検どちらを学習すべきかと悩んでいる人に向け、判断材料になるように各試験の違いやメリット・デメリットをまとめました。

TOEICと英検の違い

TOEICと英検、どちらも有名な英語のテストですが、どのような違いがあるのでしょうか?
一般的にはTOEICが社会人向け、英検は学生向けというイメージがあるかもしれません。

先ずはそれぞれの違いについて知ることから始めましょう。

TOEICの試験内容と形式

TOEICは(Test Of English for International Communication )の略で、グローバルなコミュニケーション力を測るテストとなっています。
試験内容も、日常会話とビジネスシーンなど身の回りで多く出会うであろう出来事がメインとなっています。

出題問題は、初心者用の簡単な問題から上級者用の問題まで幅広いレベルの問題が1つのテストに集約されています。

結果は合否方式ではなく、スコア式となっており990点満点で何点取れたかで表されます。
スコア発表はドキドキしますが、不合格通知が来ないのは精神的にいいですね(^^

・試験内容 :日常生活やビジネスシーンがメイン
・試験レベル:初級者から上級者
・試験形式 :リスニングとリーディング
・結果通知 :スコアによる測定

英検の試験内容と形式

一方の英検は、日常生活のみならず環境、歴史、科学など幅広い分野から問題が出題されます。そのため、TOEICと比べて普段聞きなじみの無い単語が出てくることもしばしばあります。
もう一つの特徴として、レベル別(5級から1級)で試験が分けられています。

また、TOEICとの一番大きな違いとしては、スピーキングとライティングが含まれていることです。TOEIC L&Rは聞く・読むのみですが、英検は話す・書くが加わるので、より実践的な英語力が必要になります。

・試験内容 :日常生活に加え様々な分野から幅広く出題
・試験レベル:5級から1級の7段階に分けられている ※2024年6月から準2級プラスが新設予定
・試験形式 :4技能すべて(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)
・結果通知 :合否判定(後述のCEFRによるスコア有)

TOEICと英検のスコア換算表

次にTOEICと英検のスコアを比較してみましょう。以下がTOEICと英検のスコア換算表になっています。
TOEICと英検はともに英語の試験ではありますが、出題範囲や測定基準が異なるので、あくまでも目安として見てください。



・文部科学省:各資格・検定試験とCEFRとの対象表
・TOEIC Program各テストスコアとCEFRとの対照表
CEFR:外国語の運用能力を同一の基準で測ることが出来る国際標準です

TOEIC L&Rはスピーキングとライティングのスコアがないので、それらを合算したスコアで比較が行われています。L&Rのみに絞って見ると、おおよそ250点~550点の範囲が英検2級と同等との位置づけになっています。

上記の表を簡易的に表したものが以下になります。

それぞれの試験のメリット・デメリット

ここでは各テストの特徴について、長所と短所を上げていきます。まずはTOEICから見ていきましょう。

TOEICのメリット・デメリット

スピーキング・ライティングが無い

前述の通りTOEIC L&Rは、リスニングとリーディングのみのテストとなっています。試験内容は日常生活に紐づくものとなっていますが、「英会話がしたい」、「英作文や英文メールのスキルが必要」という人にとっては、あまり相性が良くないかなと思います。

英語の基礎力をつける目的でTOEICを学習するのも悪くはないですが、どこかで区切りをつけて勉強方法を変える必要が出てきます。

受験費用が割高になる

TOEICはL&R(リスニング・リーディング)とS&W(スピーキング・ライティング)で試験がわかれています。4技能を測定するためには、2つの試験を受験する必要があるので、英検と比べて受験費用が割高になります。両方受験すると18,260円になります。

受験費用 ※2024年3月時点
・TOEIC L&R:7,810円
・TOEIC S&W:10,450円(スピーキング/ライティングのみの場合:6,285円)
・英検(5~1級):4,100円~12,500円 

英語初心者には難しすぎる

試験内容のところでも触れましたが、TOEICは色々なレベルの人が同じテストを受験します。そのため、初心者用の易しい問題と上級者用の難題が入り混じっています。リスニングは内容の難しさにかかわらず、かなり早く読まれるので、英語初学者では聞き取るのが大変です。中学レベル以上の英語がわかる人、それ以下なら、よほどのメンタルが強い人でない限り目をそむけたくなるレベルかなと思います。

またスコア換算表からもわかる通り、英検4級と5級は比較されていません。3級でさえ~225点となっているので、最低でも英検準2級が合格できるレベル(TOEIC300点目安)まで英語力を上げてから挑む方が、学習効果的にもメンタル的にもベターかなと思います。マークシート式なので、勘が冴えれば取れるかもしれませんが、それでは英語学習が無意味になってしまいますので。

ビジネス英語を学ぶことができる

デメリットばかり並べてしまいましたが、ここからはメリットをお伝えしていきます。

1つ目は「ビジネス英語を学べる」です。TOEICの問題は、日常生活やビジネスシーンに特化した内容になっているので、今後、海外へ行く予定のある人や仕事で海外出張、赴任などの予定がある人は、事前練習としてビジネス英語に触れることができます。
ビジネス英語の言い回しは、話す相手に丁寧な印象を与えられるので、仕事で使う予定がない人でも、いくつか言い回しを覚えておくと、海外旅行の際に現地の人とより円滑なコミュニケーションが取れるので損はないですよ。

さらにTOEICのスピードに慣れておくことでリスニングの土台作りもできます。実際に話される英語は、問題のように理路整然ときれいに話されることはありませんし、スピードに関しては、もっと早いです。「聞いて訳を考えるのではなく、聞いてパッと意味が思い浮かぶレベルがコミュニケーションに必須」になります。TOEICが測定基準として情報処理能力を重視している理由は、この考えからきているのでしょう。

今の英語力を1回で測定できる

「自分の英語力が一回でわかる」です。後述しますが、英検は受験した級の範囲でしか英語力を計ってくれないのに対し、TOEICは5点刻みで細かく英語力を測られるので、どのくらいのリーディング力・リスニング力があるか可視化しやすいです。

英語力の証明として利用しやすい

TOEICは合否ではなく、英語力をスコアで判定してくれます。なので、どのような点数であろうとも現在の英語力を証明することができます。特に600点を超えてくると、企業から評価され始めますし、700点を超えてくると周りからもハイスコアという評価を得られるでしょう。

就職や転職という機会が多い大学生や社会人にとっては、英検と比べ相対的に英語力を評価されやすいというのは大きな武器になりますね。

英検のメリット・デメリット

結果は合否で判定

英検はスコアではなく合否方式なので、試験に落ちてしまうと何の証明も出してくれません。結果通知からCEFRのスコアを確認することはできますが、受験先や企業、団体に提出して英語力を証明することはできないでしょう。

だからこそ、落ちないように頑張れるというのはTOEICと比べて利点かもしれません。また、個人的な印象ですが、合格通知を受け取った時は、スコア評価より達成感がある気がします。

レベルチェックには別の級の受験が必要

タイパ(タイムパフォーマンス)とは時間に対する成果の大きさというのはご存じかと思いますが、TOEICはどのレベルの英語力でも測定できる一方で、英検は受験した級のレベル内でしか測定ができません。英検2級を受けた場合は、2級のレベルに達しているか否か。達していれば、その中で中級レベルか上級レベルかを明示してくれますが、いずれにしても2級のレベルの範囲内でしか結果が出ません

その為、自分の英語力を正しく測定するためには、級を変えて受験する必要があります。その分費用も掛かりますし時間もかかります。

自分の英語レベルに合わせて勉強できる

上記のようなデメリットを挙げましたが、レベルによってテストが分けられているというのは、自分の英語力に応じて、ステップアップのために必要な学習ができるというメリットがあります。

TOEICとは異なり、テスト全体が同レベルの問題で構成されているので、学習すべき問題しかありません。わからない問題があれば、しっかり理解して次に進む。これは、一歩づつ着実に英語力を上げるためのとても良い学習方法です。

背伸びして上級レベルの英語を学習しても、身に付かないのが英語です。何事も基礎が大事で、「急がば回れ」が英語習得の最短ルートです。

入試対策に活用しやすい

英検は国内の中学・高校の245校、大学では482校での活用事例があります。入試の出願資格や入試の免除資格を得られたり、入学の合否判定で優遇を受けることができるなど様々です。

TOEICでも同様の事例はありますが、特に高校入試においては英検の活用事例が多いです(大学も英検が多)。

英検公式ページ :活用事例
TOEIC公式ページ:活用事例

英検は学校英語と範囲が共通する部分がありTOEICより学習の導入がしやすいので、学校英語の延長として勉強を進めていき、一定の英語力がついたらTOEICにシフトするというのも一つの方法かなと思います。

ただし、受験する学校によって活用されるテストは異なるので、必要な要件を確認したうえで受験すべきテストを選択をする必要があります。

1回で4技能を測定できる

先に触れた通り、英検は1つの試験で4技能を使います。試験対策としてライティングとスピーキングを練習することがマストになりますが、ライティングとスピーキングの練習は、英語学習においてとても効果的です。聞く読むのインプットだけでなく、書いて話してアウトプットすることで、実際に使える英語へと昇華していきます。

さらには、ライティングとスピーキングの力がつくと、リスニング力・リーディング力も相乗効果で向上します。
評価という面においても、4技能の総合的な英語力を測定できるので、ライティングやスピーキングが重視される場面であっても、一定の評価を得られる可能性があります。

どっちを受けたらいいか【目的別】

どちらを受験すべきかは、学習時間・目的・パーソナリティを考慮すると以下のようになりますが、いずれも英語学習には効果的なテストです。

両方受けた方がいい?と考える人もいるかもしれませんが、学習範囲が広くなりすぎるので、一方に絞ることをお勧めします。いずれかの学習でしっかりと英語の基礎固めができれば、その後の英語の学習効率も上がりますので、欲張らず1つに集中して行いましょう

英語力を上げたい場合は英検がおすすめ

レベル別にテストが設けられているので、3級に合格したら次は準2級そして2級というように、スモールステップ法式で学習を続けていけるので、挫折しにくく自分の英語力を着実に上げていけることに加え、達成感を感じやすい学習になると思います。

TOEICでの英語学習では、自分の英語力以上の問題が必ず出てくるので、それがノイズや障壁となり、学習効率やモチベーションが落ちてしまう可能性があります。
英語学習は継続が重要なので、この観点からも個人的には英検を受験することをお勧めします。

英検を選ぶべき人
 ・長期で腰を据えて学習予定の人
 ・留学予定または興味がある人(英検留学公式ページ)
 ・英語の総合力を鍛えたい人

※留学を視野に入れている人は、TOEFLやIELTS等の試験も含めて、受験すべき試験を選択してください。
TOEFLとは
IELTSとは

ビジネスや転職・就職活動の場合はTOEIC

英検も準1級以上を取得できれば、充分に英語力があるという証明になるでしょう。ですが先述の通り、英検はアカデミックな内容を幅広く問われるのに対し、TOEICはビジネス英語にフォーカスされており、英語力は同等でもカバーできているビジネス英語の範囲はTOEICに分があると思います。さらに、各テストの測定基準も英検は内容理解を重視していますが、TOEICは理解速度を1つの基準として英語力を測っています。実際のビジネスシーンでも、問いに対しレスポンスよく回答できることが重要になります。

また実際に、就職サイト等でキーワード検索をしても、検索数が1桁違うほどTOEICのスコアを目安にしている企業が多い印象です。
よりビジネス英語に対応している点、理解速度が重視されている点、TOEICスコアを英語力の目安にしている企業が多いという点から、就職・転職においてはTOEICを学習すべきでしょう。英語力だけでいえば、800点を超えられれば日本企業だけでなく外資系企業も選択範囲にすることができるでしょう。
ただし、場合によっては英語の面接があったり、就職後は実際に英語を使う力が要求されるので、スコアだけでなくスピーキング力を上げておくようにしたいですね。

TOEICを選ぶべき人
 ・短期で結果を出したい人
 ・就職や転職に使う人
 ・必要な知識を効率よく習得したい人

まとめ

今回はTOEICと英検について、どちらを受けるべきか迷っている人の判断材料になるよう、各試験の違いをまとめました。

TOEICとは
■日常生活やビジネスシーンに特化した英語テスト
■L&R(リスニング・リーディング)とS&W(スピーキング・ライティング)でわかれている
■主に英語の情報処理能力の速さを問われる
■結果はスコア判定方式
■中級者から上級者向け
■英検と比べ、評価基準としている企業・団体が多い
■就職や転職時に多く活用される

英検とは
■幅広い分野の専門的な内容を問われる英語試験
■L&R(リスニング・リーディング)とS&W(スピーキング・ライティング)を1つのテストで受けられる
■文法や表現方法等を含め、内容を正確に読み取る力を問われる
■結果は合否判定方式
■初級者から上級者向け
■主に学校や教育団体における英語力の評価に利用される
■受験の面では英検がより活用される

当然ですが、目的により必要な要件は変わります。趣味なのか実用なのか、期限の長短や留学または就職のためなど理由は様々あると思うので、まずは目的を明確にして必要な学習方法を明確にしましょう。

今回も読んでいただきありがとうございます。

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